大雨や集中豪雨の際、道路が突然冠水することがあります。
そんなとき、
「車は水深何cmくらいまでなら走れる?」
「SUVや軽自動車なら大丈夫?」
「少しくらいなら、そのまま走ってもいい?」
「冠水した車はエンジンをかけても大丈夫?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、「水深○cmまでなら安全」と一律に判断することはできません。
車高や車種、走行速度、水の流れなどによって危険度は大きく変わります。
今回は、冠水道路を車で走行する危険性や水深の考え方、万が一車が浸水してしまった場合の対処法を、中古車販売店の目線から分かりやすく解説します。
車は水深何cmまで走れる?
「車なら水深20cmや30cmくらいまで大丈夫」と考えてしまうかもしれません。
しかし、○cmまでなら安全に走行できるという基準として考えるのは危険です。
国土交通省は、水深が車両の床面を超えると、車内への浸水や電気装置の故障、エンジン・モーターの停止などが起こるおそれがあると注意喚起しています。
さらに床面より水位が低くても、速度を出して走ることで発生した波によって、エンジンの吸気口などから水が入る可能性があります。
つまり、水深だけで走れる・走れないを判断してはいけません。
冠水している道路を発見した場合は、無理に進入せず、できる限り迂回しましょう。
水深30cmでも「走れる=安全」ではない
JAFでは、実際に冠水路を使った走行テストが行われています。
過去のテストでは、水深30cmを走り切れたケースもありました。
しかし同じ30cmでも速度を上げると、車が大量の水を巻き上げ、エンジンルームへ水が入りやすくなることが確認されています。
さらに近年のJAFのテストでも、冠水路を走り切った車のボンネット内部や車内に水が入っていたケースがあります。
そのため、
「30cmなら走れる」
と考えるのはおすすめできません。
実際の道路では水深が一定ではありませんし、濁った水の下に段差や側溝、開いたマンホールなどが隠れている可能性もあります。

SUVや車高の高い車なら冠水路を走れる?
SUVや車高の高い車は、一般的な乗用車より最低地上高が高いことがあります。
そのため「SUVなら冠水していても大丈夫」と思われがちです。
しかし、SUVだから安全というわけではありません。
JAFのテストではSUVが深い冠水路を走り切ったケースがある一方、速度を上げた条件ではエンジンが停止したケースもあります。
車高が高くても、水を大量に巻き上げればエンジンルームなどへ水が入る可能性があります。
SUV・軽自動車・ミニバンなど車種にかかわらず、冠水路には安易に進入しないことが基本です。
冠水路で速度を出すのは危険
「勢いをつければ抜けられるのでは?」
と思うかもしれませんが、これは逆効果になる可能性があります。
速度を上げるほど車の前方に大きな波が発生し、エンジンルームへ水を巻き上げやすくなります。
水がエンジンの吸気系へ入れば、エンジン停止や重大な損傷につながる可能性があります。
冠水路を勢いで突破しようとするのは避けましょう。
特にアンダーパス・高架下には注意
大雨のときに特に注意したいのが、
アンダーパス
高架下
周囲より低くなっている道路
です。
こうした場所には雨水が集まりやすく、短時間で水位が上昇する場合があります。
しかも冠水した水は濁っていることが多いため、運転席から見ただけでは実際の深さが分かりません。
前の車が通れたからといって、自分の車も安全に通過できるとは限りません。
冠水していることが分かった時点で、可能であれば引き返す・迂回するという判断が重要です。
冠水した車でエンジンが止まったら再始動しない
冠水路を走行中にエンジンが止まった場合、その場で何度もエンジンをかけ直すのは避けてください。
吸気系などから水が入っている状態で始動を試みると、エンジンを損傷させる可能性があります。
また、車内まで浸水している場合には電装系にも影響が出ている可能性があります。
まず安全を確保し、JAFなどのロードサービスや販売店、整備工場へ相談しましょう。
水が引いた後もエンジンをかけない
駐車中の車が大雨によって浸水した場合も注意が必要です。
水が引いて外見上は問題なさそうに見えると、
「エンジンがかかるか確認してみよう」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、車内まで浸水した車は点検するまでエンジンを始動しないでください。
JAFも、冠水した車では電装系のショートやエンジン、ブレーキ機構などに異常が生じている可能性があるため、点検前に始動させないよう案内しています。
エンジンがかかるかどうかを自分で確認するより、まず専門業者へ相談しましょう。

ハイブリッド車や電気自動車も注意
「EVならエンジンがないから水に強いのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、電気自動車だから冠水路を安全に走れるわけではありません。
JAFの冠水路テストでは、BEVでモーター自体は停止しなかったものの、複数のシステム故障の警告が表示されたケースがあります。
また、浸水したハイブリッド車や電気自動車には高電圧のシステムが搭載されているため、むやみに触らないようにしましょう。
車内まで水が入ってきたら車より人命を優先
走行中に水位が上がり、車内へ水が入ってきた場合は、車を守ることより自分や同乗者の安全を優先してください。
水位が高くなると外側からの水圧によってドアが開きにくくなる場合があります。
また、電装系が故障するとパワーウインドウが動かなくなる可能性もあります。
万が一に備えて、車内へ緊急脱出用ハンマーを備えておくのも対策のひとつです。
ただし、一部の車種ではドアガラスにも合わせガラスが使用されており、一般的な緊急脱出用ハンマーでは割れない場合があります。
自分の車のガラス仕様をあらかじめ確認しておくと安心です。

冠水後に普通に走れても安心とは限らない
冠水路を通過でき、その後も普通に走っているからといって必ずしも問題がないとは限りません。
水が入った場所によっては、
電装系
ブレーキ関係
エンジン周辺
各種センサー
車内の配線や電子機器
などへ影響が出る可能性があります。
特に車内まで水が入った場合は、見た目だけで判断せず点検を受けることをおすすめします。
中古車を買うときも「冠水歴・水没歴」に注意
中古車選びでも、水害を受けた車には注意が必要です。
冠水・水没した車では、時間が経ってから電装系の不具合や腐食などが発生する場合があります。
中古車を見る際には、車内の不自然な臭いやサビ、シート下やフロア周辺なども確認材料になります。
ただし、一般の方が外観だけで冠水歴を判断するのは簡単ではありません。
気になる点がある場合は、販売店へ車両状態や過去の履歴について確認しましょう。
まとめ|「何cmなら大丈夫」ではなく冠水路には入らない
車が走行できる水深は、車種・車高・速度・水の流れ・道路状況などによって変わります。
そのため、
「水深○cmまでなら大丈夫」
という考え方で冠水路へ進入するのは危険です。
浅く見える道路でも、実際には急に深くなっていたり、水の下に段差や側溝などが隠れていたりする可能性があります。
冠水した道路を発見したら、無理に進まず迂回することが最も重要です。
そして車が浸水してしまった場合は、むやみにエンジンを始動せず、ロードサービス・販売店・整備工場などへ相談しましょう。
C.P STOREでは福井県鯖江市を拠点に、中古車販売・買取を行っています。
大雨のあと、
「冠水した道路を走ってしまったけど大丈夫?」
「車内に少し水が入った」
「この車は点検した方がいい?」
など、車について気になることがありましたらお気軽にご相談ください。